日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
特集 iPS細胞と遺伝子治療の実用化研究の現状と今後の展望
ヒトiPS細胞から成熟した心筋細胞の開発と安全性評価への応用
諫田 泰成芦原 貴司黒川 洵子
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 147 巻 6 号 p. 334-338

詳細
抄録

ヒトiPS細胞を用いた創薬応用はここ数年急速に展開しており,創薬プロセスの早い段階で医薬品候補化合物の安全性や有効性を確実にスクリーニングできれば創薬の効率化や向上,安全性の確保などまさに創薬プロセスの変革が実現できる.我々はヒトiPS細胞の創薬応用の可能性についてヒトiPS細胞由来心筋細胞に関する検証を行い,細胞間のばらつきや成熟度などの問題点を明らかにしてきた.さらに,それらを克服する手法として,細胞シート標本の利用や成熟化のアプローチを見出すとともに,コンピュータシミュレーションのアプローチも検証するなど,ヒトiPS細胞の実用化の加速を目指して多角的に取り組んでいる.本稿では,ヒトiPS細胞由来心筋細胞の品質特性に関する知見を基にして,ヒトiPS細胞由来心筋細胞による新しい安全性評価法の確立に向けた現状と整備すべき課題について議論したい.これにより今後,ヒトiPS細胞を用いた心臓安全性評価の早期実現が期待される.

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top