抄録
γ-Oryzanolの抗ストレス潰瘍作用と血清gastrin,11-OHCS,胃液分泌などの日内変動との関係について検討を加えた.γ-Oryzanolには血清gastrinの低下作用,血清11-OHCSの上昇作用,および胃液分泌抑制作用が認められた.これらの作用はいずれも日内変動が存在し,前報のγ-Oryzaolの抗ストレス潰瘍作用と比較すると,血清gastrin低下作用,および胃液分泌の抑制作用が,抗ストレス潰瘍作用と同様,夜間から早朝に著明であった.しかもこれらの作用発現に,γ-Oryzanolの脳内カテコールアミン増量作用の関与する可能性が示唆された.