日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
甲状腺摘除・ストレプトゾトシン糖尿ラットにおける糖代謝および血圧反応の変化について
藤井 恵美子塚原 富士子野本 照子
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 79 巻 1 号 p. 33-41

詳細
抄録

ストレプトゾトシン(STZ)投与後2週における糖代謝,血中および尿中Ca,Mg,Cu量および血圧変動に及ぼす甲状腺摘除(Tx)の影響について実験した.血中および尿中Ca,Mg,Cu量に対するTxの影響はみられなかった.グリコヘモグロビン(HbA1)量はTxで増加し,Tx+STZ2週ではさらに増加した.しかし,高血糖を得るためにTx前処置ではSTZの多量を必要とし,STZによるノルエピネフリン(NOR),AChの血圧反応の抑制を,Tx前処置では正常に近づけたことから,甲状腺機能低下は,STZ糖尿の糖代謝および循環動態の一部を改善することが示唆される.

著者関連情報
© 社団法人 日本薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top