日本薬理学雑誌
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脳内グルコース取り込みに対するVinpocetineの影響
柴生田 正樹垣花 満永岡 明伸
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1982 年 80 巻 3 号 p. 221-224

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抄録

脳内へのグルコース取り込みに対するvinpocetineおよびifenprodilの影響をマウスを用いて調べた.脳内へのグルコースの移行量は2-deoxyglucose-[1-14C]の静脈内注射10分後の脳内14C量,血漿14C濃度およびグルコース濃度から求めた.絶食マウスでの薬物経口投与30分後における脳内グルコース移行量は,対照群(2%アスコルビン酸5ml/kg投与)では1.42±0.06mg/g/10分 (n=8,平均値±標準誤差)であり,vinpocetine 20mg/kgの経口投与は対照の115±5%(n=9,P<0.05)に増加させた.しかしvinpocetine 5mg/kgの経口投与は有意な作用を示さなかった.一方,ifenprodil 5あるいは20mg/kgの経口投与は,脳内へのグルコース移行量に影響を与えなかった.非絶食マウスでの薬物腹腔内投与10分後におけるグルコース移行量は対照群では2.59±0.08mg/g/10分 (n=10)であり,vinpocetine 5mg/kgは,対照の112±4% (n=10,P<0.05)に増加させた.vinpocetine 1mg/kgは有意な作用を示さなかった.これらの成績から,vinpocetineは脳内グルコース代謝促進作用を有することが示唆された.

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