抄録
sufoxazine,(±)2-[0-(2-thenyl)phenoxy]methyl morpholine maleate,(Y-8894)の学習および記憶の過程におよぼす影響を種々の実験的記憶障害(amnesia)モデルを用い,1試行性受動的回避行動を指標に検討し,以下の成績を得た.1) 正常動物の学習行動に対して影響をおよぼさなかった.2) CO2ガス誘発amnesiaに対して5および10 mg/kgをCO2ガス負荷直後に,あるいは5 mg/kgを獲得試行の30分前に腹腔内投与することにより拮抗作用を示した.3) 電撃痙攣ショック(ECS)誘発amnesiaに対して5あるいは10 mg/kgをECS負荷直後に腹腔内投与することにより拮抗作用を示した.4) scopolamine誘発amnesiaに対して5 mg/kgを獲得試行の直後に腹腔内投与することにより拮抗作用を示した.5) 抗うつ薬のimipramineやdesipramineではいずれのamnesiaに対しても拮抗作用を示さなかった.これらの成績から,sufoxazineは実験的記憶障害に対して拮抗作用をもつことが示唆された.