主催: 日本知能情報ファジィ学会
共催: 国際ファジィシステム学会
本研究では,多段階の仮想原点収束という考え方を提案する.状態空間上にいくつかの仮想的な原点を定め,仮想原点周りでファジィモデルを構築し,仮想原点に収束する制御器を設計する.初期値から1つの仮想原点に収束させ,収束後に収束点を新たな初期値とし,制御器を切替えて,別の仮想原点に収束させる.これを繰り返し仮想原点を真の原点に近づけていくことで,最終的に真の原点に収束させることができる.この考え方では,初期値に近いところに仮想原点を配置することによって,ファジィモデル構築の際の状態変数の範囲を広く取らなくても制御が可能となる.また,仮想原点の数を多くすることによって,全体として広い範囲の制御可能領域を得ることができる.本研究では,仮想原点への収束条件の導出と仮想原点の位置決めおよびスイッチング制御器の設計アルゴリズムを示す.