日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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ISSN-L : 0387-1207
手技の解説
大腸LSTに対するEMR・ESDの適応と手技の実際
田中 信治岡 志郎大庭 さやか金尾 浩幸平田 真由子茶山 一彰
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キーワード: LST, 大腸EMR, 分割EMR, 大腸ESD
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2009 年 51 巻 2 号 p. 244-255

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抄録
径20mmを越えるLST(laterally spreading tumor)は分割EMR(endoscopic mucosal resection)になりやすいが,腺腫部分の分断は病理組織診断や根治性に影響を与えない.従って,腺腫性のLST-Gもしくは,癌部を分断しない腺腫内癌のLST-Gが分割EMRの適応である.そして,その適応決定および分割ラインの設定には拡大観察によるpit pattern診断が必須である.一方,ESD(endoscopic submucosal dissection)の適応は,内視鏡的一括切除が必要な病変のうち,スネアによる一括切除が困難なLST-NG,特にpseudo-depressed type,VI型pit patternを呈する病変,SM軽度浸潤癌,大きな陥凹型腫瘍,癌が疑われる大きな隆起性病変(全体が丈高の結節集簇病変LST-Gも含む)である.他に,biopsyや病変の蠕動によって粘膜下層に線維化を伴う粘膜内病変,潰瘍性大腸炎などの慢性炎症を背景としたsporadicな局在腫瘍,内視鏡的切除後の局所遺残早期癌も適応となる.ただし,線維化も高度になると大腸壁が薄い事もあり手技の難易度が極めて高くなる.実際の臨床の場では,病変の臨床病理学的特徴のみならず,内視鏡術者の技量,病変の局在,内視鏡操作性の良否,予測治療時間などに加えて,外科手術の選択も含め総合的に判断すべきである.
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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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