琵琶湖流域の面源系の市街地の原単位の推計を目的に, 宅地の汚濁負荷量を把握するため, 雨天時に一般住宅の屋根から流出するモニタリング調査を実施した。水質は有機物 (TOC) , 窒素, リンを対象に行った。総降水量の約7割が屋根排水として流出すると推察され, いずれも溶存態の割合が高いことが明らかとなった。回帰式から, 降水量に対する単位面積あたりの負荷量を算出し, 2015年~2020年の降雨イベントから宅地の日当たりの発生負荷量を求めた。各年で降雨パターンに違いはみられたが, 変動係数は10%未満となり, TOC, TN, TP は, それぞれ60.4, 18.1, 0.64 g ha-1 日-1と試算された。本結果より, 土地利用面積の比率およびCOD/TOC割合をもとに, 琵琶湖流域の宅地・道路の原単位として, TOC 140, COD 159, TN 24.2, TP 1.1 g ha-1 日-1が得られた。