2009 年 51 巻 3 号 p. 368-373
症例は7歳女児.難治性下痢と体重減少を主訴に当院受診.大腸内視鏡検査にて直腸からS状結腸に散在する発赤の強い広基性隆起を認め,生検所見を加味してcap polyposisと診断した.上部消化管内視鏡検査では鳥肌状胃炎がみられ,Helicobacter pylori(H. pylori)の感染も確認された.除菌療法を施行したところ症状は軽快し,除菌半年後の大腸内視鏡検査でも大腸の多発隆起は消失していた.H. pylori除菌療法はcap polyposisの治療の1つとなりうる可能性が示唆された.