日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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51 巻, 3 号
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総説
  • 芳野 純治
    2009 年 51 巻 3 号 p. 325-333
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル オープンアクセス
    内視鏡検診は内視鏡検査により直接スクリーニングを行う検診方式である.胃癌に対するスクリーニング検査として胃X線検査と胃内視鏡検査が用いられているが,現在では臨床施設においては内視鏡検査が主として用いられている.一方,胃がん検診においてはX線検査が依然として主体として行われているが,内視鏡検診の受診者数が近年急速に増加している.内視鏡検診がそれぞれの施設の考えで別々の方式で行われているため,標準的な検診方法が検討されている.内視鏡検診による胃癌発見率はX線検診に比して高いと考えられるが,死亡率減少効果を目標としたエビデンスに基づく検討では内視鏡検診の有用性は証明されていない.このため,それを明らかにする試みが行われている.その他,見逃し例,偶発症の発症に対する対応が必要である.今後,検診受診者が増加すると考えられるため,ペプシノーゲンなどを応用した対象の集約が必要である.
原著
  • 若槻 尊, 小原 勝敏, 入澤 篤志, 引地 拓人, 渋川 悟朗, 高木 忠之, 今村 秀道, 高橋 裕太, 佐藤 愛, 佐藤 匡記, 池田 ...
    2009 年 51 巻 3 号 p. 334-340
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】食道静脈瘤硬化療法における血管外注入法が,血管内注入法のトレーニングとして有用であるかを検証した.【方法】当科において消化器内視鏡経験年数5年以上10年以下の若手内視鏡医8名を対象とし,血管内注入法の施行前に経験した経験数と血管内注入法開始後10例までの成功率との相関を調べた.また,血管内注入法の経験曲線を求めた.【結果】血管内注入法経験以前の血管外注入法経験数と血管内注入法開始10例までの成功率には正の相関の傾向(rs=0.653,p=0.079)が認められた.血管内注入法経験数が30例までと31例以降では,成功率がそれぞれ74.9%(134/179),88.8%(71/80)と2群間に有意差を認めた(p=0.011).【結論】血管内注入法のトレーニングとして血管外注入法は有用である可能性が考えられた.
症例
注目の画像
手技の解説
  • 大宮 直木, 中村 正直, 白井 修, 竹中 宏之, 森島 賢治, 山村 健史, 宮原 良二, 川嶋 啓揮, 伊藤 彰浩, 廣岡 芳樹, 渡 ...
    2009 年 51 巻 3 号 p. 382-390
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,カプセル内視鏡の開発により非侵襲的かつ生理的に全小腸の内視鏡観察が可能となった.またバルーン内視鏡の開発により比較的容易に深部小腸の詳細な内視鏡観察,生検および内視鏡治療が可能となった.本稿ではまず小腸腫瘍の種類,頻度,症状,および内視鏡治療の適応について概説後,ダブルバルーン内視鏡を用いたポリペクトミーの手技,有用性,偶発症,およびカプセル内視鏡を用いたポリペクトミー後のフォローアップについて述べる.
資料
  • 岡野 明浩, 高鍬 博, 松林 祐司
    2009 年 51 巻 3 号 p. 416-420
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル オープンアクセス
    家族性大腸腺腫症を有さない特発性胃底腺ポリープの病因は明らかでない.しかしながら,胃底腺ポリープの発生はHelicobacter pylori感染のない正常胃粘膜に関係している.われわれは胃底腺ポリープがH. pylori除菌後に新たに発生した2症例を報告する.その2患者にはH. pylori関連の胃潰瘍が生じた.H. pylori除菌治療が行われ,成功した.プロトンポンプ阻害薬の長期の内服はしていなかった.除菌後の経過観察の上部消化管内視鏡検査で,それぞれの患者の胃穹隆部に胃底腺ポリープの発生を認めた.胃底腺ポリープはH. pylori感染によって,そのサイズの縮小が観察されうる.逆に,われわれの症例は胃底腺ポリープはH. pylori除菌によって発生しうることを示した.
内視鏡室の紹介
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