2010 年 52 巻 8 号 p. 1888-1894
82歳,男性.ランソプラゾール(以下LAZ)の内服開始20日後から水様性下痢が出現した.当初は大腸内視鏡検査では異常を認めなかったが,1年後の大腸内視鏡検査では全大腸にわたって散在性にごく軽度の発赤,翌年は上行から横行結腸に血管透見性低下と浮腫状の顆粒状粘膜,その翌年は前年度の所見に加え盲腸の発赤も認めた.大腸粘膜の生検でcollagen bandを認めcollagenous colitisと診断した.LAZを中止後,症状,所見ともに改善を認めた.