日本消化器内視鏡学会雑誌
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経験
膵管ステント迷入に対し,ステント追加後に待機的に抜去を行った1例
横井 佳博金子 猛菊山 正隆
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2012 年 54 巻 2 号 p. 296-299

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抄録

症例は主膵管拡張を伴った肝腫瘍の精査のため,ERCPを行ったところ,胆管挿入に難渋し,膵炎予防のため,主乳頭に片側フラップステント(5Fr)を挿入した.その際,膵管内にステントが迷入した.主乳頭の浮腫が高度のため,即時の回収を断念した.可及的にガイドワイヤー下に新たに両側フラップ膵管ステント(5Fr)を追加挿入し,主乳頭の膵液流出路を確保した.経過は良好であり,15日目に迷入ステントをバスケット鉗子で回収した.膵管ステントの追加挿入は容易に施行でき,迷入ステントの回収に十分な治療体制が整うまでの間,一時的な膵炎の回避処置として有用と思われる.

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© 2012 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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