日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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ISSN-L : 0387-1207
症例
NSAIDs起因性多発小腸潰瘍から穿孔をきたした1症例
竹内 庸浩前田 哲男多田 秀敏西田 悠野村 祐介牧野 哲哉仙波 秀峰
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2013 年 55 巻 3 号 p. 467-475

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抄録
症例は83歳男性.黒色便を主訴に救急搬送され,下部消化管内視鏡検査にて回腸に多発潰瘍を認めた.低用量アスピリンとの関係が疑われ,内服を中止の上,絶食にて加療した.経過中,高熱,炎症反応高値を繰り返したが,内視鏡所見上,小腸潰瘍はほぼ治癒した.腰部脊柱管狭窄による腰痛のため入院第53日よりセレコキシブ200mg/日投与を開始した.入院第78日,激しい腹痛が出現し,腹部CT検査で遊離ガスを認め,消化管穿孔と診断し開腹手術となった.終末回腸に10カ所の打ち抜き穿孔を認め,病理組織所見で非特異的炎症と診断され,セレコキシブとの関連が疑われた.
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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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