抄録
逆流性食道炎(RE)と胃食道逆流症(GERD)症状の関連性が糖尿病の有無で変化するかを健診受診者を対照群として比較検討した.スクリーニング目的で上部消化管内視鏡を施行した糖尿病患者88名と非糖尿病者263名を対象とし,自答式問診票を用いてGERD症状を認めた者をsymptomatic GERDと診断した.REの頻度は糖尿病患者で有意に高かったが,symptomatic GERDの頻度は両群に差を認めなかった.非糖尿病者ではsymptomatic GERDの有無でRE有病率に差が認められたが,糖尿病患者では認められなかった.糖尿病患者では非糖尿病者と比較し,胃酸逆流が生じてもsymptomatic GERDが顕在化しにくくなる可能性が示唆された.