日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
症例
カプセル内視鏡で異常所見を観察しえた成人のHenoch-Schönlein紫斑病の2例
川上 巧鎌田 和浩戸祭 直也吉田 憲正
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 56 巻 10 号 p. 3639-3643

詳細
抄録
症例1は54歳男性.腹痛を発症した5日後,両下肢に紫斑が出現した.皮膚生検で血管周囲に炎症細胞浸潤を認めHenoch-Schönlein紫斑病(HSP)と診断.2週間の保存的治療で症状が改善せず,カプセル内視鏡を施行したところ小腸全域に発赤,浮腫,びらんを認めたため,ステロイドによる治療を開始した.症例2は53歳男性.両下肢に皮疹が出現した数日後に腹痛,尿蛋白を認め,皮膚生検で白血球破壊性血管炎を認めHSPと診断.ステロイドによる治療後に貧血の進行を認めたためカプセル内視鏡を施行したが,小腸内はほぼ正常であったためステロイド治療を継続した.カプセル内視鏡は病変の程度を把握し,治療方針を決めるのに有用であった.
著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top