抄録
【目的】胃瘻は長期栄養管理法として優れており嚥下訓練を進めやすく,経口摂取が可能となる症例も経験する.当院でのこれらの症例のPEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)前の臨床背景を解析しPEG後の摂食機能改善症例の予測可能性について検討した.【方法】当院でPEGを施行し経過を追跡し得た85例を対象とし,PEG後経口摂取が改善した18例(改善群)と,改善のみられなかった67例(非改善群)の臨床背景を比較検討した.【成績】単変量解析では改善群でPEG前嚥下機能が有意に良好でアルブミン値・総コレステロール値が有意に高値であった.また改善群は有意に若く,非改善群は肺炎の既往を持つ症例が有意に多かった.多変量解析を行うと,術前の嚥下機能が術後経口摂取改善の独立した予測因子であった.【結論】術前嚥下機能評価により嚥下機能が高い症例を抽出し術後嚥下訓練などの介入を行うことで,さらに摂食機能改善が図りうると期待される.