抄録
急激な発症経過の前後で大腸内視鏡検査を施行した非閉塞性腸間膜虚血症を3例経験した.79歳男性は大腸内視鏡検査31時間後に腹痛で発症し,右半結腸切除を要した.89歳男性は誤嚥に伴うショックを契機に発症し,下血1時間後の大腸内視鏡検査にて右側大腸から回腸に発赤浮腫を混在する暗紫色調の鬱血粘膜を認めた.81歳女性は腹痛で来院後,CTで門脈ガス血症と右側大腸に急速拡大する浮腫性肥厚を認めたが保存的治療で軽快した.15病日の大腸内視鏡検査にて上行~下行結腸に多発した浮腫性肥厚粘膜や皺襞集中を伴う種々の形態の潰瘍を認めた.管腔狭細や再発症状はなかったが,192病日の内視鏡検査にて潰瘍は完全には瘢痕化していなかった.