日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
自然退縮した横行結腸癌の1例
芹澤 昌史中山 淳川原林 伸昭
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キーワード: 大腸癌, 自然退縮
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2015 年 57 巻 7 号 p. 1490-1495

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抄録
症例は75歳の男性.下部消化管内視鏡検査施行にて横行結腸に0-IIc+IIa病変を認めた.粘膜下層への癌の浸潤の可能性が否定できず,また内視鏡の操作性が悪い部位であったため外科的手術で治療する方針とした.しかし,その二カ月半後の手術前日に二回目の内視鏡検査を施行したところ,横行結腸には腫瘍の大部分が存在せず,自然退縮したと考えられた.予定通り手術を行ったが,粘膜の一部と粘膜下組織に小量の癌細胞を認めた.極めて稀な現象である自然退縮を示した結腸癌の一例を報告する.
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© 2015 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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