日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
内視鏡的副乳頭切開術
山本 智支 乾 和郎片野 義明三好 広尚
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2016 年 58 巻 12 号 p. 2439-2448

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抄録

慢性膵炎膵石症例における副乳頭からの治療適応は,頭部主膵管狭窄例,頭部主膵管の高度屈曲による治療困難例,副膵管領域の結石治療が必要な症例,膵管癒合不全などである.内視鏡的副乳頭切開術は,副乳頭を12時~1時方向に副乳頭隆起上縁までを目安に切開する.偶発症としては出血,急性膵炎,穿孔などがあげられる.内視鏡的膵石除去術は,ESWLで膵石が5~6mm大になるまで破砕したものに対して,ガイドワイヤー誘導下にバスケットカテーテルを挿入し,膵管壁を傷つけない程度に軽く開き,愛護的に除去する.偶発症として急性膵炎,バスケット嵌頓,副乳頭浮腫に伴う膵液流出障害などがある.膵管プラスチックステント留置術は,副乳頭切開術未実施例では5Fr,実施例では5Fr~7Frのステントをガイドワイヤー誘導下に留置する.偶発症として,ステント閉塞やステント迷入,膵管の変形などがある.これらの手技について,自験例を中心に解説した.

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© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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