2017 年 59 巻 1 号 p. 33-40
十二指腸静脈瘤は比較的稀な疾患であり,その治療法は確立されていない.今回われわれは2例の十二指腸静脈瘤出血を経験したので報告する.症例1は57歳女性.嘔吐,黒色便を主訴に受診した.上部消化管内視鏡にて十二指腸下行部にF3形態の静脈瘤を認め,バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術を施行した.症例2は54歳男性.C型肝硬変にて通院中であり,黒色便,吐血を主訴に受診した.上部消化管内視鏡にて十二指腸水平脚に噴出性出血を伴うF3形態の静脈瘤を認め,血管内塞栓促進用補綴材(ヒストアクリル,AESCULAP AG,Tuttlingen,Germany)注入にて止血を得た.2例とも再出血は認めていない.