症例は81歳男性.2次検査目的に受診し全大腸内視鏡検査で直腸に径5mmのⅡa病変を指摘された.病変は白色平坦隆起部と発赤調の隆起部より構成され,拡大内視鏡観察では白色平坦隆起部はⅡ型pit,発赤調の隆起部はⅢL型pitであった.鋸歯状病変の部分的変化または鋸歯状病変と腺腫の衝突を疑い,内視鏡的粘膜切除術(以下EMR)を施行した.病理診断は平坦隆起部は過形成性ポリープ,隆起部は管状腺腫であった.また,分子生物学的検討では,白色平坦隆起部のみにK-ras変異を認め,発赤調の隆起部はK-ras変異,BRAF変異ともに認めなかった.内視鏡,病理,分子生物学的所見を総合すると,過形成性ポリープと管状腺腫の衝突病変と考えるのが妥当であるという結論に至った.