日本の大腸がん検診のさらなる改善に向け,検診における大腸内視鏡のさらなる有効活用は重要な検討課題である.検討に際し,まずは,大腸内視鏡の検診における有効性・安全性の十分な評価が必要である.有効性評価に関しては,S状結腸内視鏡についてはランダム化比較試験(RCT)で死亡抑制効果が証明されている一方,全大腸内視鏡検査については現在複数のRCTが進行中でその結果が待たれる.有効性・安全性以外には,費用対効果や内視鏡検査のキャパシティ等の評価も必要で,その評価にはモデル分析という手法が有用である.海外では既にモデル分析を用いた研究が多数報告され,その結果を検診政策に反映している国も存在する.日本の大腸がん検診についても同様の検討を行うと,内視鏡検診に代表される大腸内視鏡をより積極的に用いる検診法が日本ではより費用対効果に優れる可能性が示唆され,今後,大腸内視鏡のキャパシティ把握とともに,内視鏡検診導入についてさらなる議論が必要と考えられる.