日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
回収ネット,把持鉗子を併用し除去しえた,腕時計の1例
尾上 公浩 緒方 創造東 哲生渡名喜 銀河岩崎 肇原田 孝弘
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2017 年 59 巻 7 号 p. 1487-1491

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抄録

症例は74歳 女性.認知症で入院中,腕時計を誤飲し当科外来受診.腹部単純レントゲンにて胃内に異物を認め,上部消化管内視鏡を使用し摘出を試みた.時計は直径5cm大の硬い金属のバンドが伸縮するタイプで,重量もあり当院に常備されているデバイスでは摘出困難であった.そのため,内視鏡の鉗子孔から出した,把持鉗子で回収ネットをつかみ腕時計のバンド内を通過させた後,一端回収ネットを離し,バント外から回収ネットを掴み直すことで回収ネット,把持鉗子,内視鏡でリングを作り,腕時計を牽引することに成功し体外へ除去しえた.本方法は,重量のあるリング状消化管異物を低侵襲に体外へ摘出するうえで有用な方法と思われた.

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© 2017 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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