2018 年 60 巻 11 号 p. 2416-2427
【背景・目的】抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡の現状を把握するため,現行ガイドラインの普及率と生検・処置に対する休薬の状況を調査した.
【方法】2017年2月,日本消化器内視鏡学会北陸支部所属専門医にアンケートを送付し,調査を行った.
【結果】回答は78施設から得られた.ガイドライン導入施設は病院79.2%,診療所48.3%であった.抗血栓薬服用者において継続下で生検する割合は,低用量アスピリン(A)71.4%,チエノピリジン誘導体(T)62.3%,ワルファリン(W)54.5%,Direct Oral Anticoagulant(D)57.1%,複数の内服例では14.3~20.8%であった.血栓塞栓症リスクが高い患者に,内服継続下にて処置を行う割合は内視鏡処置によって大きく幅があり,(A)17.5~78.4%,(T)0.0~78.4%,(W)0.0~64.9%,(D)0.0~64.9%であった.
【結論】病院よりも診療所の方が抗血栓薬継続下での処置に慎重な傾向を認めた.また出血高危険度の処置によって休薬状況に大きな差異を認め,誰もが納得するエビデンスの構築のため,今後さらなる継続的な検討が必要と考えられた.