日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
症例
内視鏡的粘膜切開後の細胞診が診断に有用であったimplantation cystの1例
鈴木 貴久 高士 ひとみ三宅 忍幸村山 睦平井 恵子髙橋 秀和澤口 洋視呉原 裕樹溝口 公士
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2018 年 60 巻 12 号 p. 2512-2518

詳細
抄録

症例は37歳,男性.201X年S状結腸癌のため手術を施行.2年後のCTで吻合部に径16mm大の腫瘤が出現したが経過観察.201X+7年大腸内視鏡検査で吻合部近傍に径30mm大の粘膜下腫瘍を認めた.EUSで腫瘤は嚢胞状であった.高周波ナイフで腫瘍の表面を切開し吸引すると粘稠な内容液が排出された.細胞診で異型細胞はなくimplantation cystと診断した.本邦におけるimplantation cystの報告は24例と少ない.術後の吻合部に粘膜下腫瘍を認める場合には,EUS後に病理組織検査を検討すべきである.大腸の手術後の症例ではimplantation cystを念頭におく必要がある.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top