日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
症例
緩和的放射線治療により貧血のコントロールが可能となった出血性下部胆管癌の1例
人見 美鈴 河端 秀明岡崎 祐二川勝 雪乃猪上 尚徳宮田 正年
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2018 年 60 巻 2 号 p. 152-157

詳細
抄録

症例は80歳男性.切除不能の下部胆管癌に対し胆管プラスチックステントを留置し経過観察していた.担癌状態による慢性消耗性貧血のため輸血を繰り返されていたが,乳頭部に露出した胆管癌による急速な貧血を認めるようになったため,この腫瘍部に対して放射線照射を行うことで癌性貧血を緩和でき頻回な輸血を回避することが可能となった.出血性下部胆管癌に対する放射線治療は患者のQOLの改善と生存期間の延長を得られる可能性があると考える.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top