2018 年 60 巻 3 号 p. 253-259
急性胆嚢炎に対するドレナージの第一選択は経皮的処置であるが,抗凝固剤内服中や腹水の存在,全身状態不良などの理由により経皮処置が困難な場合には経乳頭的ドレナージが検討される.その難易度は胆嚢管の分岐形態によって異なるものの,成功率は未だ低いと言わざるを得ない.しかしながら今後挿入手技の工夫や処置具の使い分けによって成功率をあげられる可能性がある.経乳頭的ドレナージは一度挿入できればその後の経過は良好でありステント交換も比較的容易に行えることから,症例を選べば今後治療選択肢の一つとなり得る.