日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
膵胆道領域における経乳頭的細胞診・組織診
花田 敬士
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2018 年 60 巻 3 号 p. 260-269

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抄録

従来から,内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)を用いた経乳頭的膵管・胆道生検および膵液・胆汁細胞診は,膵・胆道系疾患の鑑別診断において重要な役割を果たしており,特に胆膵を専門とする内視鏡医が習得すべき検査法の一つである.しかし,検査後に膵炎,胆管炎,出血などの重篤な合併症が稀ながら発生する可能性があり,正診率が高くないという問題がある.

胆道アプローチに関しては,内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD)の留置後に行う複数回の胆汁細胞診に加え,胆道狭窄部に対するブラシによる擦過,新たな胆管用デバイスや画質が大幅に向上した経口胆道鏡(POCS)を用いた胆管生検などの併用で,正診率の向上がみられる.

膵(臓)アプローチに関しては,膵管生検のみの正診率は低率とされ,腫瘤性病変に対しては次第に超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引法(EUS-FNA)に組織診の主流は移行しつつある.一方,膵管狭窄例に対しては,ガイドワイヤーやブラシを用いた擦過細胞診が正診率の向上に有用とされている.近年では,膵癌の早期診断を目的とした,内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)の留置後に行う複数回の膵液細胞診(SPACE)の有用性が報告されている.本稿では実際の手技を中心に概説する.

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© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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