2018 年 60 巻 5 号 p. 1076-1082
症例は55歳男性.18年前より嚥下困難を自覚していた.右胸痛を主訴に近医を受診し,当院に紹介となった.食道アカラシア(Flask type)及び多発表在型食道癌(胸部上部食道1病変,胸部中部食道5病変)と診断した.多発表在型食道癌に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)を施行,最深病変の病理組織診断は,扁平上皮癌,pT1a-MM,ly(-),v(-)であった.ESD3週間後に,アカラシアに対して,内視鏡的バルーン拡張術を施行した.アカラシアおよび多発表在型食道癌に対して,内視鏡治療が可能であった1例を経験したので報告する.