日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
健常小児に発症した単純ヘルペスウイルス初感染によるヘルペス食道炎の1例
松枝 真由髙橋 索真稲葉 知己コルビン 真梨子青山 祐樹香川 朋河井 裕介石川 茂直和唐 正樹安藤 翠
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2019 年 61 巻 10 号 p. 2346-2352

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抄録

症例は13歳の健常男児.主訴は発熱,胸痛,食欲不振.上部消化管内視鏡検査にて,中部食道に境界明瞭な円形潰瘍を,下部食道に融合傾向を伴う縦走潰瘍を認めた.生検では,核腫大,核のスリガラス状変化を認め,抗単純ヘルペスウイルス(HSV)抗体による免疫染色が陽性であった.来院時血清抗HSV-IgG抗体は陰性であったが,回復期には抗HSV-IgG抗体が陽転化した.以上より,HSV初感染によるヘルペス食道炎と診断した.一般的にヘルペス食道炎は免疫不全患者にHSVの回帰感染によって発症し,初感染によるヘルペス食道炎の報告は本邦にはない.また,早期の抗ウイルス療法が著効し,内視鏡像も改善した.

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© 2019 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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