2019 年 61 巻 12 号 p. 2634-2645
ESDは,大きな病変でも一括で切除することが可能であり,詳細に病理診断をしていただくことが可能である.しかし,標本の取り扱い方を誤ると,一括切除された標本でも正確な病理診断ができない.切除標本は,可能な限り早くかつ適切に取り扱う必要がある.内視鏡医は,標本処理に関わるため,標本の取り扱いの知識が必要である.内視鏡医は,ESDで,病変を切除したら終わりではない.内視鏡画像診断所見と病理診断所見を正確に対比することで,術前診断の妥当性や問題点を検証することができる.そのため,内視鏡と病理の対比を繰り返し行うことが,内視鏡診断能力の向上には必須である.