日本消化器内視鏡学会雑誌
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経験
Cold snare polypectomy症例の安全性と有効性に関する臨床病理学的検討
深野 雅彦 三島 孝洋高 蓮浩岡村 陽子中島 光一白倉 立也高橋 敬二野澤 博西野 晴夫
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2019 年 61 巻 2 号 p. 170-177

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抄録

【目的】Cold snare polypectomy症例(以下CSP群)と従来から行われているpolypectomyおよびEMR症例のうち腫瘍径10mm未満のもの(以下HSP群)を後ろ向きに比較検討した.【対象と方法】2015年1月から2016年12月までに行われたCSP群3,448例,4,749病変とHSP群2,496例,3,891病変を臨床病理学的に比較検討した.【成績】担癌率はCSP群では1.2%,HSP群では4.5%であり,CSP群で有意に低かった.術後出血率はCSP群では0.3%,HSP群では0.9%と,CSP群で有意に少なかった.また,切除術から出血までの期間はCSP群では平均1.0日,HSP群では平均2.4日であった.【結論】術後出血はCSP群で有意に少なく,術後早期にのみ認められ,CSP群では術後QOLの向上が期待された.

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© 2019 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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