2019 年 61 巻 7 号 p. 1408-1414
72歳男性,心窩部痛を主訴に近医受診,酸分泌抑制薬にて改善なく精査目的に当科紹介,造影CTとEUSにて膵癌腹膜播種の診断となり抗癌剤治療が開始予定であったが,頻回の嘔吐を認めるようになり精査加療目的に当科入院となった.上部消化管内視鏡にて十二指腸球部に腫瘍浸潤による狭窄部位を認めた.悪性十二指腸狭窄に対しカバー付きステントを留置したところ,食道内へ逸脱しステント端に粘膜増生を来し抜去困難となった.このような合併症は稀であり,自験例のように抜去せずに経過観察症例はさらに稀である.カバー付き十二指腸ステントが食道内へ逸脱した際の問題点と逸脱後に経過観察が可能かどうかについて考察した.