2019 年 61 巻 7 号 p. 1415-1422
症例は46歳男性.右下腹部痛を主訴に受診.画像検査で回盲部に複数のリンパ節腫大を認め,悪性リンパ腫が疑われた.血液検査で可溶性インターロイキン2受容体(sIL-2R)の上昇と,下部消化管内視鏡検査で回腸末端に発赤・びらんを伴う粘膜不整を認め,生検でMALTリンパ腫と診断した.H. pylori陽性であり除菌治療を行った5カ月後,回盲部リンパ節腫大は消失し,回腸末端のびらんは瘢痕化していた.生検でもMALTリンパ腫の所見は消失し寛解と判断した.本邦における消化管原発MALTリンパ腫の報告は大半が胃原発であり,小腸原発の報告は少ない.さらに除菌療法後に寛解に至った例は極めて稀であるため,貴重な症例と考えられた.