日本消化器内視鏡学会雑誌
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腹腔鏡内視鏡合同手術の周術期管理についての全国調査
辻 敏克 稲木 紀幸島田 麻里山本 大輔北村 祥貴黒川 勝吉田 尚弘比企 直樹土山 寿志
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2019 年 61 巻 9 号 p. 1691-1700

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抄録

【背景・目的】腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)は,多くの施設で行われているが,周術期管理について詳細に言及した文献や報告はない.enhanced recovery after surgery(ERAS)が浸透する中で全国におけるLECSの周術期管理の実態を把握するためにアンケート調査を行った.

【対象・方法】LECS研究会参加施設にアンケート調査を実施した.

【結果】アンケート回収率は71.2%(42/59施設)であった.半数の施設でクリニカルパスを使用していたが,LECS用のパスはうち29%であった.半数以上の施設において手術前日の食事は普通食,術前飲水可能時期は入室の数時間前まで,硬膜外麻酔を使用していた.最多回答については,硬膜外カテーテル抜去時期では術後2~3日目で72%,尿道カテーテルの抜去時期では術後1~2日目で67%,術後飲水開始時期では術後1~2日目で90%,術後食事開始時期では術後2~3日目で81%であった.

【結論】LECS専用のクリニカルパスの使用率は低く,LECS後にERASをさらに追求できる可能性も示唆され,今後の検討課題と考えられた.

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© 2019 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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