2020 年 62 巻 12 号 p. 3057-3063
大腸肉芽性ポリープは術後の吻合部や内視鏡治療後の創にみられることが多く,憩室に関連して発生した肉芽性ポリープの報告は少ない.今回筆者らは憩室関連肉芽性ポリープの3例を経験したので報告した.3例ともにS状結腸に憩室内から突出する発赤調ポリープを呈し,表面に白色付着物と蛇行する毛細血管を伴っていた.また拡大観察で表面構造は不明瞭または消失といった特徴を有しており,生検により肉芽性ポリープと診断した.また,1例ではポジトロン断層法検査でポリープに集積を認めた.上記の内視鏡所見を認める場合は,憩室関連肉芽性ポリープを鑑別に挙げるべきと考えられた.