2020 年 62 巻 12 号 p. 3079-3084
腸管洗浄剤内服後の大腸閉塞は,一定の頻度で発生する医原性合併症である.しばしば,人工肛門造設によるQOLの低下や重篤な転帰を来すことが問題となっている.このような症例では,大腸ステント留置により緊急手術を回避できる可能性がある.当院で経験した腸管洗浄剤内服後の大腸閉塞12例のうち8例にステント留置を試みた.このうち全周性2型病変による狭窄例は安全にステント留置が可能であった.経口腸管洗浄剤内服後の大腸閉塞例のうち,全周性2型病変による狭窄例ではミニガイドラインに準拠してステント留置を行うことで緊急手術を回避し,閉塞を解除できる可能性があると考えられた.