日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的逆行性胆道膵管造影関連手技の多施設レジストリデータベース:Japan Endoscopy Database(JED)プロジェクト
加藤 正之 田中 聖人木田 光広良沢 昭銘松田 浩二藤城 光弘斎藤 豊大塚 和朗小田 一郎堅田 親利小林 清典布袋屋 修堀松 高博小田島 慎也松田 尚久武藤 学山本 博徳岩切 龍一久津見 弘宮田 裕章加藤 元嗣春間 賢藤本 一眞上村 直実上西 紀夫田尻 久雄
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2020 年 62 巻 12 号 p. 3105-3115

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抄録

【背景・目的】全国規模かつ人口ベースの内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)関連手技データベースに関する報告は少ない.日本消化器内視鏡学会は全国規模の内視鏡データベース構築のためにJapan Endoscopic Database(JED)Projectを2015年に立ち上げた.今回,われわれは全国規模の内視鏡データベースを構築するにあたり,まずは多施設でのERCP関連手技データ登録システムを評価した.

【方法】最終的に,2015年1月1日から2017年3月31日の間の4施設で行われたすべての患者のERCP関連手技データをJEDプロトコールに基づき収集・解析した.

【結果】4施設にて2,173人の患者,4,104件のERCP関連手技が行われた.データ入力率は,4施設から正確に抽出された(年齢;100%,性別;100%,ASA-PS;74.5%,スコープ情報;92.7%,ERCP関連手技回数;100%,抗血栓薬;55.0%,最初の胆管へのアプローチ法;73.0%,胆管挿入までの乳頭へのアプローチ回数;67.6%,最終的な深部挿管へのアプローチ法;68.9%,手技時間;66.3%,透視時間;65.1%,偶発症;74.9%,手技翌日のアミラーゼ値;36.5%).ERCP難易度別による胆管挿管成功率は,Grade 1,2,3にてそれぞれ98.5%,99.0%,96.4%であった.造影法,ガイドワイヤー法,クロスオーバー法における最終的な深部挿管へのアプローチ法別での偶発症率はそれぞれ5.6%,7.6%,10.5%であった.

【結語】今回のJEDプロジェクト,多施設ERCP関連手技データベース登録のデータから全国規模データベース設立の可能性と課題を示した.

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© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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