日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
終末回腸の腫大したPeyer板上の広範囲に潰瘍を形成したカンピロバクター腸炎の2例
小野 洋嗣 大川 清孝上田 渉中内 脩介宮野 正人大庭 宏子山口 誓子青木 哲哉倉井 修
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2020 年 62 巻 4 号 p. 484-489

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抄録

症例1は18歳の男性で,主訴は下痢と右下腹部痛であった.症例2は21歳の女性で,主訴は下痢と高熱であった.いずれも腸液培養でCampylobacter jejuniが検出され,内視鏡で終末回腸の腫大したPeyer板上の広範囲に浅い潰瘍を認めた.大腸では,2例とも全域に粘膜内出血と浮腫を認め,カンピロバクター腸炎に合致する所見であった.回腸に広範な潰瘍を形成したカンピロバクター腸炎の文献報告は1例しかなく,自験の2例は稀な症例と考えられた.

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© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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