2020 年 62 巻 5 号 p. 572-578
大腸憩室出血症例において,腹部造影CT検査における造影剤の血管外漏出像(extravasation)は次いで行われる内視鏡検査に有用な情報を提供するが,実際に内視鏡による責任憩室同定率は期待するほど高くない.それは,内視鏡検査ではCT検査ほどの客観的な位置把握が難しく,被疑部位を正確に探せていないことによる.“step clipping” 法は,クリップを用いてCT画像,内視鏡画像で共通に認識および対比可能な標識を作ることで内視鏡検査に正確な位置情報を付与する技術である.それにより出血源診断率の向上のみならず,内視鏡での探索範囲限定による検査時間の短縮が期待できる.