日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
膵石症に対する内視鏡治療の適応とコツ(動画付き)
伊藤 謙 岡野 直樹五十嵐 良典
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2021 年 63 巻 1 号 p. 68-83

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抄録

膵石症に対する内視鏡治療は,主膵管または副膵管内に膵石が存在し,消化器症状を訴える症例が良い適応である.また症状がなくとも若年者や膵石除去により膵機能の温存が期待される症例は適応となる.前処置として内視鏡的膵管口切開を施行する.膵石が5mm未満の症例では,第一選択としてバスケット鉗子やバルーンカテーテルを用いて結石除去を行う.膵石が5mm以上の場合は,ESWLにより膵石を破砕した後に内視鏡的に除去する.その際結石より十二指腸側に主膵管狭窄を伴う場合が多く,狭窄を拡張し,膵管ステントを留置する.内視鏡的膵石除去の手技は,バスケット嵌頓,出血,穿孔などの重篤な偶発症も危惧されるため,手技を熟知する必要がある.内視鏡治療の限界を考慮して,外科治療への移行の時期を逃さないようにする必要もある.

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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