【目的】胃腫瘍に対するESDの周術期に誤嚥性肺炎(Aspiration Pneumonia;AP)を発症した症例を検討し,そのリスク因子を明らかにした.
【方法】2014年から2017年までに当院で胃腫瘍に対するESDを施行した393例422病変を対象に,ESDの周術期にAPを起こした15例(A群)と起こさなかった378例(B群)について,背景と経過を後ろ向きに比較検討した.
【結果】A群で噴門開大所見のある症例が有意に多かった.年齢や既往歴,治療時間や抗生剤予防投与,オーバーチューブ使用の有無では差を認めなかった.肺炎で治療を中断した症例はなく,入院期間にも有意差はなかった.
【結論】胃ESD周術期のAPのリスク因子は噴門開大所見であった.上記リスクを有する症例では周術期のAP発症に注意した治療環境の工夫が必要である.