2021 年 63 巻 12 号 p. 2495-2507
バレット食道は食道腺癌の発生母地であり,その発癌プロセスの初期段階にあるバレット上皮および異型粘膜に対しては,内視鏡的切除および内視鏡的焼灼法を併用した多角的なアプローチが必要である.現在欧米では内視鏡的焼灼法を施行するにあたり,主にラジオ波焼灼法,内視鏡的凍結療法,そしてアルゴンプラズマ凝固が用いられている.この中から治療法を適切に選択し,安全に施行しそして有効な治療効果を得るには,それぞれの治療法に使用されるデバイスの種類やその構造,使用法,治療適応,そして発生し得る偶発症に関し理解を深めることが重要である.本稿ではこれらの内視鏡的焼灼法に関し,主に手技的な側面に焦点を合わせて解説する.