日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
スギ花粉症に対する舌下免疫療法開始後に発症し,服薬法変更により改善した好酸球性食道炎の1例
野津 巧足立 経一 石村 典久岸 加奈子三代 知子曽田 一也沖本 英子川島 耕作石原 俊治木下 芳一
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2021 年 63 巻 2 号 p. 183-187

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抄録

症例は41歳女性.健診目的の上部消化管内視鏡検査にて下部食道に限局した白斑所見を認め,生検組織にて高倍率1視野あたり最大78個の好酸球浸潤があり好酸球性食道炎(EoE)と診断した.当センター受診の15日前から標準化スギ花粉エキスによる舌下免疫療法を受けており,EoE診断までは舌下後の薬液は飲み込んでいた.舌下後に薬液を吐き出すようにしたところ,治療継続3カ月後の内視鏡検査では,下部食道の白斑は消失し,生検所見でも改善を認めた.舌下療法を継続しているにもかかわらず,1年6カ月後の検査では,内視鏡所見,組織所見ともEoEの所見を認めなかった.また,スギ花粉症の症状も軽快傾向となっている.

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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