2021 年 63 巻 7 号 p. 1344-1350
【目的】大腸における超拡大内視鏡所見と病理組織所見との対応に関して検討することを目的とした.
【方法】2017年12月から2019年9月までの期間に,超拡大内視鏡を用いて観察後,内視鏡的切除術または外科切除術を施行した188例を対象とした.超拡大内視鏡所見はEC分類を用いて分類し,病理組織所見との対応について検討した.
【結果】EC 1aはすべて非腫瘍に,EC 1bは過形成ポリープおよび鋸歯状病変に対応していた(61.5%)が,腺腫(7.7%),粘膜内癌(7.7%),粘膜下層浸潤癌(23.1%)もみられた.EC 2は腺腫と粘膜内癌に対応していた(87.3%).EC 3aは半数が粘膜内癌と粘膜下層軽度浸潤癌に対応していた(47.6%)が,残りは粘膜下層深部浸潤癌が占めていた(52.4%).EC 3bはすべて粘膜下層深部浸潤癌に対応していた.
【結論】大腸における超拡大内視鏡所見は病理組織所見を反映しており,病理組織所見を予測する上で有用なモダリティと考えられた.