EUS下腹腔神経叢融解術(EUS-CPN)は,EUS下に胃噴門部背側・腹部大動脈前面に存在する腹腔神経叢に薬液を注入して不可逆的変性を起こすことによって,上腹部内臓の疼痛を緩和する手法である.EUS-CPN施行1~2週間後の疼痛減弱効果は46%~81%にみられ,麻薬性鎮痛薬を減量する効果があると報告されている.癌性疼痛の早期にEUS-CPNを行うべきかどうかに関する無作為化比較試験は2編あり,肯定的な結論と否定的な結論にわかれ一定の結論を導きにくいものの,近年発達している薬物を中心とした疼痛緩和療法を行いうる場合には,全例にルーティーンに行う意義は高くないと考えられる.EUS-CPNには重篤な有害事象が報告されている上,長期的に生命予後を短縮するとする報告もある.一方,疼痛が高度で薬物療法でのコントロールが難しい例,オピオイドの副作用が高度である例,頻繁な通院が難しい例,薬剤に係る経済的負担に配慮すべき例など,薬物による疼痛コントロールが難しい症例には有用である可能性がある.