2021 年 63 巻 8 号 p. 1489-1494
症例は68歳男性.天疱瘡にて皮膚科加療中に胆管狭窄に伴う肝機能障害を来し,当科紹介受診となった.精査・加療目的にてERCPならびに胆道ドレナージを施行し,内視鏡抜去時に胸部中部~下部食道に長軸に広がる食道粘膜下血腫を認めた.絶食などの保存的加療により食道粘膜下血腫は速やかに改善した.特発性食道粘膜下血腫の報告は散見されるが,これまでにERCP関連手技に伴う食道粘膜下血腫の報告は極めて稀である.出血素因や天疱瘡などの基礎疾患を有する症例では,ERCP関連偶発症の一つとして機械的刺激を軽減するような慎重で愛護的な内視鏡手技を施行する必要があると考え,文献的考察を加えて報告する.