2021 年 63 巻 8 号 p. 1514-1519
歯状線近傍の直腸病変に対する大腸ステント留置は,留置後の肛門痛のリスクが高く適応外とされている.最近,直腸病変に対してproximal release型大腸ステントが保険収載された.この新規ステントはその展開方式から従来のステントより位置調整が容易で,適切な位置での留置が可能となっている.われわれは4例の下部直腸悪性狭窄に対し緩和治療目的に,この新規ステント留置を試みた.その結果,4例すべてで留置成功し速やかに経口摂取可能となった.4例とも病変は歯状線から5cm以内の下部直腸に位置していたが,留置後に肛門痛を認めなかった.proximal release型大腸ステントは歯状線近傍の下部直腸病変に対して肛門痛なく留置可能であり有用であった.