日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
自己免疫性胃炎および合併胃腫瘍の臨床像と内視鏡所見
鎌田 智有 物部 泰昌春間 賢
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2021 年 63 巻 8 号 p. 1520-1537

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抄録

自己免疫性胃炎とは何らかの自己免疫異常に伴い壁細胞が破壊・消失し,この過程においてプロトンポンプ(H/K ATPase)に対する自己抗体(抗壁細胞抗体)が産生される特殊型胃炎である.内視鏡的逆萎縮が特徴であり,これに加えて固着粘液,残存胃底腺粘膜,前庭部における輪状模様などの所見が認められることがある.近年,非萎縮粘膜の縦走する発赤した偽ポリープ様の顆粒状隆起や胃小区の腫脹,穹窿部のモザイク模様所見などが初期内視鏡像として報告が散見される.

自己免疫性胃炎に合併する胃癌は,主にL~M領域に発生する隆起を主体とした分化型早期癌であり,非癌症例より血清ガストリン値が高く,悪性貧血の頻度も高率であった.さらに,背景胃粘膜の組織学的所見として非癌症例と比較して萎縮が高度,単核球浸潤が軽度であった.また,本胃炎に合併した胃神経内分泌腫瘍はRindiらのⅠ型に分類され,高ガストリン血症を伴い,腫瘍径は小さく胃体部に発生する予後の良い腫瘍とされている.色調は薄黄色や赤色調のものが多く,中心部で発赤や陥凹,拡張血管などの所見がみられることもある.

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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