2021 年 63 巻 9 号 p. 1609-1615
症例は74歳女性.肺癌の術前の大腸内視鏡検査で,盲腸と上行結腸に1つずつ,S状結腸に2つの側方発育型腫瘍(LST:laterally spreading tumor)を認め,横行結腸に2つの大腸癌を認めた.術前に4つのLSTに対して内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD:endoscopic submucosal dissection)を行ったのちに,横行結腸癌に対して,外科的切除が行われた.約1年後に,術後サーベイランス目的に大腸内視鏡検査を行ったところ,ESDを施行した部位である,盲腸とS状結腸に2型癌を認めた.その形態と経過から大腸癌のimplantationによる再発と考えられたが,大腸癌のESD後のimplantationによる再発の報告は稀であり,本症例は2つの部位で同時に再発があったことから非常に稀な症例と考えられた.